ねうとんが高校2年生のときに、はじめて自作パソコンに挑戦してみました。
もともとIBM製パソコンの性能をあげるための改造として始まったものの
トラブル連発で、いつの間にか1台の自作パソコンを作成することに…。


安定して動くようになるまで約3ヶ月かかりましたが、無事に完成。
問題解決のスキルが身についたので、パソコンのトラブルは全然怖くなくなりました。

自作パソコンという趣味をスタートするきっかけになったレポートです。

■できるだけシンプルな構成で作る
 最小限のパーツで作ります

■新しい規格のパーツを使う
 なんとなくIntel製のCPUを使ってみたい

■値段はできるだけ抑えたい
 高校生なので、お年玉で賄える範囲の予算
 使い回せるものは全部流用してコストダウン


2003年当時に使っていたパソコンはIBM製のAptiva E1A(1998年製)という機種。
周りでは2GHz〜2.8GHz駆動CPUが使われているなか、AMD K6~233MHzのパソコンを使ってました。
なんと、PS2ゲーム機に負けるスペックです。

動作周波数で10倍も差がついてしまっています。新しいパソコンが欲しくなりますね。
そこで、低コストでパソコンの性能を上げる計画をたててみました。



■マザーボード
さすがに1998年購入のIBM製のマザーボードは流用できません。
Aopen製AX4SPE-Nを購入。Soket478対応CPUが取り付けられます。
USB2.0が8ポートもついていてビックリしました。

■CPU
Celeron2.4GHz(Soket478,Northwoodプロセッサ)にしました。
当時(2003年10月)の価格では約9000円とお手頃価格で買えます。

■FDD
TEAC製を購入(型番忘れました…)
1.2MBのFDは使う予定がないので2モードの製品。

■メモリ
PC2100 DDR 256MBを購入しました。
コスト削減のため、ノーブランドのバルク品です。

■ケース
電源(DR-B350ATX350W)を搭載したV-TECH V770Kにしました。
5インチベイ×4、3.5インチベイ×6(このうちシャドウベイ×4)です。
ミドルタワー型なので、拡張性の高いケースです。

8cmケースファンをリアに2箇所、フロントに2箇所付けられるようになっています。
格安ケース(6000円)の割にはケースファンがたくさん付けられるのがいいですね。

■VGA
今回のマザーボードはVGAが装備されていません。
3Dゲームにも対応できるようMSIのRADEON9550SEを選んでみました。
ファンレスのため、静音化にも貢献できますね。


これ以外のパーツ(HDD、CD-ROM)はIBMパソコンから流用。



(2003年11月上旬)
CPU取り付けは初めてだったので不安でしたが、取り付けはとても簡単。


ソケットに合えばCPUの重みで勝手に装着できます。

CPUよりも取り付けが大変だったのはCPUクーラー。
固定するときにレバーを倒します。レバーがこんなに堅いとは予想外です。
レバーを倒すときにマザーボードがきしむ音がしますが、折れることはないです。


メモリ、VGAカード、HDD、CD-ROM、FDDも取り付けます。

ケーブルをすべて接続し、電源ボタンを押してみました。
しかし、電源は入るものの画面には何も表示されません。
CPUファンやLEDは回転・点灯しているのにBIOSが起動しません。
マニュアルを参照してみましたが、正常に取り付けできているようです。

パーツ初期不良の可能性があるため、1つ1つパーツを調べてみました。
5日間の調査でCPUとマザーボードのどちらか不良になっていると判明。

パーツを購入したパソコンショップへ動作チェックを依頼してみました。
ここで原因判明。マザーボードの初期不良ということが分かりました。

はじめての自作パソコン作成で初期不良に出会うとは驚きですね。

無償で新品のマザーボードに交換し、組みなおしたらBIOSが立ち上がりました。


BIOSが起動すると一安心しますね。
自作パソコン完成まであと一歩です。

しかし、喜びもつかの間。Windows98を起動中に…


「NDISディバイス初期化中...
 Windows保護エラーです。コンピュータを再起動してください。」
というエラーが出て起動できません。Safeモードでは起動できます。

HDDは以前使っていたデータをそのまま使用していました。
一度Windows98をクリーンインストールしてみました。
しかし、状況は変わりません。

そこで、エラーメッセージに書かれていたNDISデバイスの意味を調査。
ネットワークデバイスに関係するものと判明します。
Safeモードでネットワークドライバを削除してみたところ、Windows98が正しく起動しました。

…しかし、このままではインターネットが使えません。

Windows98のOS自体のバグによる疑いがありますね。
Windowsのセットアップの問題に関するページを発見。
問題のエラー内容を調べたところ、ようやく原因が判明しました。

Windows98は2.1GHz以上のCPUでは、そのような保護エラーが発生する事が判明しました。
メモリが512MB以上ある場合はWindows98が起動できない問題はすでに知ってましたが…。
CPUの動作周波数に問題があったとは予想外の展開です。

OSをWindows2000やWindowsXPにすれば問題なく使えるそうです。
そこでWindowsXP(SP1適用済みパッケージ)を購入しました。
おまけにHDDも新品の物(日立IC35L120AVV207-0 120GB)を購入することに。
HDDを取り付けてインストールを行い自作パソコンが完成しました。


IBMパソコンのアップグレードするはずでしたが、自作パソコンが完成してしまいました。
いま思えば、最初からそうした方良かったと反省しています。


自作パソコンが完成してインターネットやゲームを快適に楽しんでいました。
1ヵ月後にトラブルでパソコンが起動できなくなる症状が発生します。



(2004年1月中旬)
自作パソコン完成から約1ヶ月後に突然トラブルが発生しました。

電源を入れるとBIOSは起動せず低音の警告音がなります。
画面には[BIOS CHECKSUM ERROR]と表示されます。

このエラーはメインのBIOSが動かず、ブートブロックという一部が正常に動いている状態。
簡単に言うと、深刻なトラブルが発生している事を意味しています。
この画面を見て心臓が止まりそうになりました。

試しにリセットスイッチを押してみました。すると普通に起動します。
そのまま起動しているとWindowsXPの[ようこそ]画面で突然BIOS起動画面へ戻ってしまいました。
つまり、パソコンが勝手に再起動する症状が出るようになったのです。

何度か再起動を繰り返した後、Windowsは起動できました。
このようにな不安定な状態では、この先何が起こるか分かりません。
最悪の事態に備えて重要なデータはCD-Rに焼いておきました。
前準備を済ませてから、今回のトラブル解決に向けて調査スタートです。

まずは、BIOS CHECKSUM ERRORが表示されたことについて調べます。
以下の状態になると、このエラーが出るようです。
 ・マザーボードが壊れたとき
 ・BIOSが静電気などの誤信号でダメージを受けたとき

このエラーメッセージが出た場合は、BIOSアップデートで修復できることがあるらしい。
しかし、BIOSのアップデートを失敗して起動できなくなるのが怖いです。
アップデートは最終手段まで持ち越すことにしました。



(2004年01月28日)
勝手に再起動する他の原因があるかどうか調べてみました。
電源出力に問題があると、その症状が発生しやすいことが判明。

電源はDEER DB-350ATXというケース購入時に付属していた電源です。
なんと、DEER製は格安電源の代名詞とも言われる製品だったのです。

格安電源は低温になるとコンデンサの容量が急激に減ることがあるそうです。
それによって、起動障害が発生する可能性もあるとのこと。

今回の問題は電源にあるものと思い、電源交換を決意。
パソコン工房オリジナル商品のWATANABE DENGEN WPS-500にしました。
電源を交換して起動させると、再起動なく一発で起動できました。

問題解決…と思っていたのですが、翌日から同じ症状が再発。
またBIOS CHECKSUM ERRORが表示されてしまいました。
結局、症状の改善はできなかったのです。



(2004年02月10日)
パソコンを起動させればさせるほど、不安定になってきました。
BIOSが起動するのに20分かかるくらい悪化してます。

そして、BIOSが完全に起動できなくなってしまったのです。
BIOS CHECKSUM ERRORすら表示されません。
最終手段(BIOS更新)を行うタイミングを逃してしまいました。



(2004年2月中旬)
自作パソコンを安定させるようにするため、パーツの再調査を始めました。
友人のパソコンに取り付けて検証した結果、メモリ、VGAカードは正常なことが判明。

残りはマザーボードとCPUです。
ここからは購入したショップでハードウェアの有料診断をしてもらいました。
私の目の前でCPU、メモリ、VGAの動作チェックします。

結果は、PCショップの検証では問題なく起動できました。
マザーボードが故障した可能性は低いと思われます。

■余談■
自宅でCPUを取り外したとき、ピンが2本ぐらい曲がってしまいました。
しかし、それを取り付けてみたところ問題なく起動しています。



自宅に戻って、再度組み立てて動作チェックをしたところ、起動できません。
仕方ないので友人にメモリとVGAを貸してもらい、動作するか試してみることに。

友人に借りたVGAカードとメモリを挿して始動させてみました。
「ピー、ピー・・・」とビーフ音が5秒間鳴る警告音を確認。画面には何も表示されません。
このビープ音の鳴り方は「メモリ・メモリスロット・BIOSの異常」だそうです。
また、メモリを自分で購入したものに交換するとビープ音すら鳴らなくなりました。


ここまで症状が変わってしまうと、明確な原因が分からなくなってしまいました…。



とうとうマザーボードの交換を決めました。
新しいマザーボードはMSI製の865G Neo2-PLSを購入。

2、3回ぐらい電源スイッチで再起動させるとBIOSが起動してくれます。
しかし、起動中に勝手に再起動してしまうなど今までの症状が残ってしまいました。

ところで、MSI製のマザーボードにはD-Braket2というシステムがあります。
PCIスロットのブラケットに4つのLEDがあり、その点灯パターンでBIOSの起動段階が分かります。
とても便利な機能ですね。その点灯パターンを見て、現在の状態を調べることにしました。



(2004年2月下旬)
BIOSの起動が出来ない時に、D-Braket2の点灯パターンを確認してみました。
[メモリサイズチェック]の後に[フリーズ]となっていることが分かりました。

「まさか…!」と思いつつ、以前のノーブランドメモリから別の新品メモリへ交換。
新しくIODATA製(PC2100 DDR256MB CL2.5)を購入し取り付けてみました。
今までの症状が嘘のようになくなりました。安定してBIOSが一発で起動できたのです!
突然の再起動も全くありません。



自作パソコンはトラブルが発生した1ヵ月後に復活できました。
D-Braket2の点灯パターンが解決の糸口となりました。
これがなければ、ずっと解決できなかったかもしれません。
素晴らしい独自システムを搭載したMSI社に感謝しています。

ちなみに、マザーボード交換(Aopen製からMSI製)でもOSの再インストールは必要ありませんでした。
内蔵しているチップセットが似ていたため、同じドライバで動くみたいですね。
アクティベーションが作動することなくWindowsXPの安定さ・便利さにも感心しました。



左がいままで使用していたIBM製パソコン、右側が今回作成した自作パソコンの外観です。
CPU切り替え機を使用して両方とも使用しています。

せっかく自作パソコンを作ったので、このパソコンの名前も決めてみました。
「INNOVATOR2400」(イノベーター2400)
ちなみに“innovator”は革新者という意味があります。



今回がはじめての自作パソコン作成でした。
まとめて、みなさんに伝えたい事はこちら。

・CPUやマザーボードを交換するなら、1台新規に自作パソコンを作成した方がよい
・ノーブランドのメモリは絶対に買わないこと
・電源出力も足りているか注意しておく
・CPUのピンが曲がっても、曲がりを直してソケットに入れば使える
・PCショップでパーツの動作検証をするときは、全部のパーツを持ち込んで一緒に検証した方がよい
・パソコンは2台あった方が安全(原因調査に必要)